Who's Next :第2回:2012年のボーカロイド曲シーンの現在地

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第2回:2012年のボーカロイド曲シーンの現在地

今、注目のレタスP、レフティーモンスターP、綿飴(季節P)という3人のボーカロイド・クリエーターを今回初登場のブロガー、Parsleyさんに執筆していただきました!

この記事の筆者

1976年東京都出身。ブロガー・ライター。ブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』にてメディア・カルチャー・ネット情報を中心に幅広く言及。ユースカルチャーとネットとの関わりを継続してウオッチしており、『ガジェット通信』などのニュースサイトで活躍中。

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ひとくちにボーカロイド曲(以下ボカロ)と言っても、初音ミクが登場した2007年より5年以上経過し、10万曲以上に及ぶとされる楽曲のジャンルは細分化している。もともと「キャラクター・ボーカル・シリーズ」というDTMソフトが源流だけにテクノ系の曲が圧倒的に多かったが、2010年頃を境にP(プロデューサー)のスキルとMVの完成度が上がり、ピアノ・ギター・ドラムといった生音をミックスした高度な作品への評価が高まっていった。一見「オタクカルチャー」と見られがちなボカロだが、『ニコニコ動画』で10万再生を超える『殿堂入り』を果たした作品の多くは、玄人の耳にも応える音楽性を持っている。

もう一つ、ユーザーに支持される作品の特徴として、作詞の物語性の高さが挙げられる。中には主人公の心象風景を切り取るといった従来のJ-POPにありがちなものにとどまらず、あたかも世界と対峙しているようなストーリー展開がされるものも数多い。

今回はこれからのボカロシーンにおいてブレイクの可能性を秘めている3人のPと作品を紹介したい。

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レタスP「僕のすべて君へのすべて」


プロフィール
ボカロP。2011年より『ニコニコ動画』に「83P」として作品を投稿をはじめ、幼なじみの恋を歌った6作目となるバラード「君へ」が人気を集める。この後「レタスP」に改名。2012年12月にファーストフルアルバム「パステル」をリリース。

2011年より『ニコニコ動画』に楽曲をアップしはじめ、鏡音リン・レンを起用したバラード「君へ」が注目を集める。ピアノの旋律の美しさと胸が切なくなるような詞が絶妙。2012年11月に発表、「君へ」の数年後を描いた「僕のすべて君のすべて」はレンの低音声で歌い上げているところが珍しい一曲。普通のラブソングだと安心して聴いていると驚くような展開が待っている。△○□×の手になる暖かい絵柄のMVも支持が集まる理由の一つだろう。

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レフティーモンスターP「君死にたもうことなかれ」


プロフィール
ボカロP/ミキサー。2012年6月22日にニコニコ動画で発表されたデビュー作「ホシアイ」がわずか2日でVOCALOID 総合ランキング5位を獲得し一躍注目の的に。"歌い手"、伊東歌詞太郎とのユニット・イトヲカシでライブ活動も行っている。

2012年6月に『ニコニコ動画』に初投稿の「ホシアイ」がユーザーから高く評価されて以来、ランキング上位に顔を覗かせるようになった新鋭・レフティーモンスターP。テーマ性の強い世界をピアノを中心にしっとりとしたサウンドで展開されてゆくのが特徴で、作詞に歌い手としても活動する伊東歌詞太郎の名前がクレジットされている。自身四作目となる「君死にたもうことなかれ」は自身が反戦歌と述べるようにメッセージ性の高いバラードに仕上がっている。buzzGの「しわ」を手がけたモゲラッタがPVを担当しているのも必見だ。

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綿飴(季節P)「四季刻歌」


プロフィール
2012年に登場したボカロP。10代ながらピアノの高いテクニックを持ち味とする。2012年10月に発表された和ポップ「四季刻歌」が『ニコニコ動画』のユーザーを中心に強い支持を集めた。

若干18歳ながら、ピアノ連弾のテクニックは既に一流。和ポップな「宵、桜」の頃から一部では注目されていたが、2012年10月に発表された「四季刻歌」で一気にブレイクした。 大正・昭和初期を想起させる真理歪のイラストと流麗な旋律、そして歌い上げる淡い慕情のハーモニーが美しい。既に『V LOVE 25 -Exclamation-』への収録も決定しており、これから多くのリスナーの耳にも届くことになるのは間違いないところだ。

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■この筆者「ふじいりょう」の関連リンク

Parsleyの「添え物は添え物らしく」
Email:parsleymood@gmail.com
Twitter:@parsleymood

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