読むナビDJ :第101回:追悼 フラメンコ・ギターの巨匠、パコ・デ・ルシアの名演12選

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第101回:追悼 フラメンコ・ギターの巨匠、パコ・デ・ルシアの名演12選

スペイン・フラメンコ界ではとても大きな存在であり、アル・ディ・メオラとの共演で世界的に有名なギタリスト。初期作品や映画での演奏など興味深い映像も多数あります。

この記事の筆者

音楽評論家。ミュージック・ペンクラブ・ジャパン会員。ミュージック・マガジン誌、レコード・コレクターズ誌、ギター・マガジン誌などの音楽誌に定期的に寄稿。『木田高介アンソロジー~どこへ』『THE FINAL TAPES はちみつぱいLIVE BOX 1972-1974』『ベルウッド40周年 三浦光紀の仕事』などのCDの解説、共著など多数あり。

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2014年2月26日、フラメンコ・ギターの巨匠パコ・デ・ルシアが公演のために訪れていたメキシコのカンクンで、急に体調を崩し亡くなった。死因は心臓発作だとされている。

超絶なる技巧を有したギタリストであり、フラメンコを世に知らしめたひとりである。スペインのアンダルシア地方にある、アルヘシーラスという小さな港町で生まれた。デビューは早く、12歳の時に兄のペペ・デ・ルシアと二人で初レコーディング。天才少年の名をほしいままにし、60年代の半ばからは、リカルド・モドレーゴラモン・デ・アルヘシラスと組んで活動した。

1967年に、初めてのソロ・アルバム『La fabulosa guitarra de Paco』を発表し、フラメンコ・ギターの新星として一躍脚光を浴びる。さらにパコ・デ・ルシアの名を世界中に知らしめたのは、元リターン・トゥ・フォーエヴァーのギタリスト、アル・ディ・メオラとの共演であった。
ディ・メオラの77年のアルバム『エレガント・ジプシー』に参加し、優雅で密度の高い演奏を聞かせてくれた。このことによりパコ・デ・ルシアの名前は、ジャズ/フュージョン界にも知れ渡っていく。その後は、ジョン・マクラフリンアル・ディ・メオラとの3人でスーパー・ギター・トリオを結成、ライヴ活動の幅を広げていったのだ。映画音楽にも寄与していて、カルロス・サウラ監督の『カルメン』『セビジャーナス』などの作品に関わり、自らも映画の中に出演している。

Paco & Pepe de Lucia

「Bulerias」

テレビ番組の中で、兄のペペ・デ・ルシアと共演したもの。70年代に入ってからの映像だと思われる。テーブルを使ってのパルマのビートにのり演奏されていくが、目をつむり瞑想でもしながら弾くのがパコ・デ・ルシアの独特のスタイルだ。




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Paco de Lucia & Ricardo Modrego

「Guajira Flamenca」

パコ・デ・ルシアが先輩のリカルド・モドレーゴと組んで作ったフラメンコ・ギターの二重奏アルバム『ドス・ギターラス・フラメンカス・エン・ステレオ』からの1曲。当時パコは17歳、その早熟過ぎる演奏ぶりに注目したい。




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Paco de Lucia

「Tico Tico」

67年にソロ・アルバム『La fabulosa guitarra de Paco』を発表した直後の映像だ。パコ・デ・ルシアはまだ二十歳になったばかりのはず。落ち着き払った演奏には、ただただ驚いてしまう。




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Paco de Lucia

「Entre dos aguas」

70年台のパコ・デ・ルシアを代表する1枚。アルバムの邦題は『炎のギタリスト』。エレクトリック・ベースやラテン・パーカッションを従えて、新世代のフラメンコ・サウンドを標榜していった。




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Al Di Meola

「Mediterranean Sundance」

パコ・デ・ルシアの名前を世に知らしめた、アル・ディ・メオラの77年のアルバム『エレガント・ジプシー』より。邦題は「地中海の舞踏」。右からはアル・ディ・メオラのアコースティック・ギターが、左からはパコ・デ・ルシアのガット・ギターが鳴り響いていく。その両者が、互いに寄り添うように競いあうように、音の中を舞っていくのだ。




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John McLaughlin , Paco de Lucia , Larry Coryell

「Meeting of the Spirits」

79年から80年にかけて、パコ・デ・ルシア、ジョン・マクラフリンラリー・コリエルの3人はユニットを組んで、全世界をツアーして周った。これはその時のライヴ映像。




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Paco de Lucia , John McLaughlin , Al Di Meola

「Mediterranean Sundance」

スーパー・ギター・トリオは、パコ、マクラフリン、アル・ディ・メオラという組み合わせでもライヴ活動をしている。その80年のライヴより。それぞれが渾身のプレイをしているが、その魂の交歓ともいえる演奏が刺激的だ。




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Paco de Lucia & Chick Corea

「Spain」

90年にパコ・デ・ルシアは、チック・コリアをゲストに迎え入れ『Zyryab』を制作する。逆にパコは、コリアの82年のアルバム『タッチストーン』に参加することとなるのだ。この「スペイン」でも、素晴らしい交流を聞かせている。




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Paco de Lucia

「Stop Crying」

スペイン映画界を代表する巨匠カルロス・サウラ監督が、古典的名作『カルメン』をミュージカル仕立てにした映画。パコ・デ・ルシアが音楽を担当し、フラメンコのダンサーでもあるアントニオ・ガデスが主演した。




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Paco de Lucia Sextet

「Tangos」

スペイン映画界を代表する巨匠カルロス・サウラ監督が、フラメンコを取材した映画が、この2010年の『フラメンコ・フラメンコ』だ。95年に製作された『フラメンコ』の続編となる。他にも、マノロ・サンルーカルホセ・メルセらが登場してくるが、パコは自身のセクステットで出演している。




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Paco de Lucia

「Live at the Montreux Jazz Festival 2012」

2012年にスイスのモントルーでおこなわれたジャズ・フェスに出演した際のライヴ映像だ。甥のアントニオ・サンチェス、ハーモニカのアントニオ・セラーノなども参加している。

Paco de Lucia

毎年フランスでおこなわれている「Festival de Fes des musiques sacrees du monde」の2013年のステージから。若々しく、エモーショナルなプレイを繰り広げている。こんな演奏を見ると、パコ・デ・ルシアの死が如何に残念なことか、身にしみて感じてしまうことだろう。




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