DrillSpin Picks :1.2万円のヘッドホン(FOSTEX T50RP)を改造して12万円台の音にする

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1.2万円のヘッドホン(FOSTEX T50RP)を改造して12万円台の音にする

海外のヘッドホンマニアの間では定番となりつつあるFOSTEX T50RP MOD(改造)を自腹切ってやってみました。良い子は真似するな!

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DrillSpin編集部の下っ端編集者。ヒップホップとロックとファンクとテクノとハウスと……要するにダンス音楽が好きです

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タイトルのとおり、FOSTEX T50RPを改造する記事です。
海外では改造T50RPを5万円で売る商売にしちゃう人が出るほど事例は豊富なのですが、日本語記事が少なかったので、編集部Kが身銭を切ってやっちゃってみました。
http://www.head-fi.org/t/618659/fostex-t50rp-incremental-mods-and-measurements(以下「本家スレ」)で推奨されている"DBV 3"と呼ばれる改造法ベースですが、示されている改造用材料そのものずばりは日本で売っていないものばかりなので、代用品を探しました。

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まず、なぜ改造素体がFOSTEX T50RPなのか

  • ・天下のFOSTEXである
  • ・ダイナミック全面駆動型
  • ・いい意味でも悪い意味でも作りがシンプル


という3点でだいたい説明できると思います!

天下のFOSTEXである

FOSTEXは東京都昭島市のフォスター電機のブランドです。ちなみに一部上場会社ですよ! ヘッドホン売り場とかにはあまり置かれていないので名前は知られていませんが、FOSTEXは世界随一の高品質スピーカードライバー(音を出す部分=音響機器のエンジン)メーカーとして、よく知られるヘッドホンメーカーにドライバーをOEM供給しています。ソニー、ヤマハ、デノン、ゼンハイザーなどの超一流ブランドがOEM先として名を連ね、もっとも人が目にしているであろう「中身はFOSTEX」製品は、iPhoneシリーズのデフォルト付属イヤホンです。他にはたぶんHONDAやMITSUBISHIの車載スピーカもそうです。
なので、そういったメーカーが、前身であるT50から数えると30年近く出し続けているT50RPの素性が悪かろうはずがない。という安心感が1.2万円の安くない出費を後ろだててくれます(大事ですよね!?)。

ダイナミック全面駆動型

FOSTEXのT**RP型は大変珍しい全面駆動型のヘッドホンドライバーユニットを使用しています(他にT40RP、T20RPもある)。
一般的なスピーカーユニットは、大雑把にいえば一点のコイルからの振動でユニット(膜)を揺らし、音を出しています。たとえるなら、太鼓をバチの先端で叩いて音を出すような。一方、全面駆動型は、振動板自体にコイルを印刷し、振動板の前後に複数の磁石を置くことで、全体を駆動させて音を鳴らします。例えるなら……なんだろう……太鼓を手のひらで叩く……? ちがう?
まあともかく、効率が悪い方法(入力に対して音量が稼げない)なので、一般的なメーカーは現在ほとんど採用してません。
採用してるのは、オーディオキチ……いえいえ、オーディオフィル御用達のマニアックな高級メーカばかり。Audeze 12万円〜、HiFiMAN 4万円〜、かのヘッドフォンマニアの到達点とされるSTAXも静電駆動型とはいえ同じく全面駆動方式です。こちらもヘッドフォンだけでも3.2万円〜。とはいえコイツはヘッドホン単体では鳴らず、専用ドライバーユニット必須で併せて5万円〜ですが……

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と、いうところでFOSTEX T50RP! 1.2万円! 全国の電気量販店でそれなりに置いてある!(さっき言っていたこととと少し矛盾しますが、程度問題ということで……)うーん。オーディオフィルになりきれない貧乏性の味方です。

いい意味でも悪い意味でも作りがシンプル

作りが質実剛健なんです。元々のユーザ想定がプロスタジオ用ということで、ヘビーデューティーな外見をしています。可動部分もたいへん少ない。「折りたたんで携帯性アップ!」とか「おしゃれなフラットコード!」とか無縁です。それが「ダサッ!」となるか「男の子ごころくすぐる!」となるかは紙一重で。まあこんなところを読んでいるあなたは後者と信じています。
そして、見た目同様、ハウジングの中もシンプルの一言。プラスネジ4本でかんたんに分解→再組立できるハウジングは、糊やら詰め物やらは全く無し。ただのプラスチックの箱に平面駆動ドライバが収まっているだけで、良く言えば恐ろしいまでの整備性です。というか、世界最大級のドライバOEMメーカーFOSTEXは本当にドライバ以外は興味がないのか……この場合、手の入れ甲斐がある、としましょう。

改造開始!

さて、前置きが長くなりました。さっそく改造を開始しましょう。以下の様なレシピを予定しています。
材料のリンクも貼りますので、ご参考にどうぞ。だいたいはハンズなどホームセンターのクラフトコーナー、もしくはAmazonで手に入るものばかり。工作内容もハンダは一切使わず、切り貼りするだけの図工レベルですのでご安心です。

  • ・リケーブル
  • ・分解
  • ・ドライバ埋め込み板の制振:粘土埋め
  • ・ドライバ音質改造:ツイーター板
  • ・ドライバ音質改造:フェルト
  • ・ハウジングの制振:制振シート
  • ・ハウジングの吸音:吸音シート
  • ・ハウジングの吸音:詰め物
  • ・オプショナル:バスレフポートの調整
  • ・オプショナル:イヤーパッドの変更
  • ・組立

リケーブル

さきほど「T50RPはプロスタジオユース前提」と申し上げましたが、それを如実に示すのが、付属ケーブルです。
なんと3mの標準ステレオプラグケーブルしか付いてきません!
なんという男気……

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男気に感心はしても、携帯音楽プレーヤなんかの普段使いには不便すぎるので、ステレオミニの1m前後のものにリケーブルしましょう。
幸い、T50RPはシリーズ最高級機なので本体側もジャックが有るリケーブル前提仕様になっています。ただ、この「デフォルトだと『回してロック』機能のあるL字のステレオミニ=ステレオミニ」というのがクセモノでして……一部情報によると、ステレオミニジャックの金属部分からL字に曲がる部分までが相当細くないと刺さらない模様。
いろいろ見ましたが、FOSTEX公式のステレオミニ入力ケーブル(1m)か、VESTAXのどっかで見たようなフラットケーブル(1.2m)がハマりそう。OYAIDEがいい、MOGAMIにしたいなどの欲求も有りましたが、「まずは気軽に」ということで¥700のVESTAXを実機と一緒に購入。これがバッチリ! いや、ケーブルのパッケージ裏を見たら「L字はプレイヤー側」と書いてありましたが……キニシナーイ!(オーディオケーブルの方向性については懐疑派)

問題のジャック
似合わねえ……
思い切って&在庫があったグリーンにしてみましたが……似合わない……モ○スターケーブルオマージュの赤にすべきだった……

分解

分解は超かんたんです! イヤパッドを剥がして……
(申し訳程度に両面テープが貼ってある)
イヤパッドを外す
耳あて面の外周の4本のネジを精密プラスドライバで外すだけ!
外周4本のネジを外す。写真のプラスドライバ位置は間違い
以上! ナイス整備性!
しかし思った以上にスカスカだ……
プリント基盤とジャックの間の配線も作業するには十分の余裕。ですがだいぶ細いので切断には注意しつつ作業を進めましょう。せっかくの無ハンダ改造なので(ちなみにハウジング外側左下のがステレオミニジャック部分。ここを置き換えてバランス端子化するツワモノもいるとか……)。
スカスカ


ドライバ埋め込み板の制振:粘土埋め

今回の改造のメインディッシュその1。ドライバユニット周りのプラ板の隙間を、制振のため粘土で埋めます。使う粘土は本家スレでは「Newplastなどの乾燥しない粘土」とあります。Newplastについて調べてみると、クレイアニメ用の粘土っぽい。国内だとClaytoonというのが流通しているようです(USの改造例でも同じ会社の製品を使ってる人がいるっぽい?)。

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……しかし、Claytoonで正解かわからないし、せっかくなのでオリジナリティを出したい、極東の意地を見せたるで! と謎の気合が湧いてきまして。
要するに振動を抑えればいいんでしょ? 制振といえば比重! タングステンか鉛だ! ということで探してみると意外とオモリ用途で有りました。金属配合の粘土。ただ、釣りのオモリに使うタングステン粘土は20gくらいで800円とか、ちょっとお高すぎるのでパス。アクアリウム用の鉛粘土が良さそうだということで購入してみました。こちらを使ってみることにします。

ねりねり。右上灰色部分が粘土詰めた

右上の灰色部分が粘土を詰めた部分。練り練りしながら、細かいところは精密ドライバーの先で押し込んだりしつつスキマにどんどん詰めていきます。上下左右の一部のスキマはネジ穴を兼ねているので、粘土遊びに夢中になって埋めてしまわないようにしましょう。ちなみに先行例を見るとドライバのすぐ横のフレーム穴には詰める人と詰めない人がいるようですが、粘土がちょうど使い切れそうだったので入れてみました。1パックでちょうど両耳分入って少し余るくらいです。
ただ、この鉛粘土は既に環境配慮か販売元では廃盤らしく、店舗在庫で終了っぽいので普通にClaytoonのほうがいいのかもしれません。

粘土詰め完成

完成!

ドライバ音質改造:ツイーター板

後の工程で、標準状態でツイーター版として機能していたハウジング側の突起と振動板の間に吸音材を挟むので、別のツイーター板をドライバの上に貼り付けます。
本家スレでは「Card Stockを18mmの円状に切って真ん中の穴に貼る」とあったので、家にあった写真印刷用のL版紙を切って作ります。それをドライバーの格子になった黒い橋状部に2mm程度の普通の両面テープを貼って貼り付けます。白く透けている部分はドライバ本体のところなので、さすがに直で貼るのはこわい。

ツイーター板を写真印刷用厚紙で


ドライバ音質改造:フェルト

吸音材第1弾として、同じく格子の上に両面テープで厚手のフェルト(2mm)を貼り付けます。手芸屋さんで買いました。
サイズは40×35mm。バスレフポートとして、長辺端から10mm、短辺端から5mmのところ4箇所にパンチで穴を開けます。
材質について、本家スレでは「Stiffed Craft Felt」とあるので、もう少し厚くて硬い、建材とかに使うものを想定してるのかも。まぁ問題無いです。

素敵な青いフェルト


ハウジングの制振:制振シート

さて、ドライバ側の改造は以上で終わり。ハウジング側に移ります。
後述しますが、T50RPの「分解能はいいのにこもった音」の主原因はこっちの箱鳴り&反響じゃねえの、という気がしています。コレまで以上に線が干渉しがちなので気をつけて作業します。
シートを切るにあたって、コピー用紙なんかを適当な大きさに切って、貼り付けたい場所に押し付けてざっくりした型紙を取りました。これに従って制振シートを切って貼り付けるだけです。

型紙作り

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ちなみに本家スレでは「AcoustipackなどのPC用静音シート」としてますが、そのものは日本では売ってません。同じく推奨されてる「PaxmateやSilverstone、Dynamatなど」も。該当する製品サイトの写真を見ると、制振シートとEPDMゴム系発泡吸音材を組み合わせたものかなー。ということで、まずは制振剤としてメジャーなブチルゴムと鉛テープを貼りあわせたXETORO-Aを型紙を使って切ってハウジングに貼り付けます。多くて困るものでもないので、何かと干渉しない限りはみ出してもキニシナーイ。材質全体として重量が増して周波数特性が変わればOKなので、隙間があってもキニシナーイ。
ただしバスレフポート(標準状態では薄いスポンジがはられた穴)と、標準ツイーター板(ハウジング真ん中のUFO型の突起)には貼らないように! 制振シートを貼り付ける

ハウジングの吸音:吸音シート

続いて、発泡EPDM系吸音材としてメジャーな日東電工エプトシーラーを使った吸音シートを、先ほど貼った制振シートの上に貼り付けます。商品としてはカーオーディオ方面で有名なエーモン工業の「音楽計画」というブランドの5mm厚テープがちょうどいいサイズ。

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制振剤も吸音材も基本は建材用とかカーオーディオ用が中心で、小分けで売ってるの探すのはなかなか手間だったり。

吸音材を貼る

ハウジングの吸音:詰め物

さあ、改造工程もそろそろ大詰めです。
ハウジング内部に詰め物をします。普通のコットンボール、あるいはホームセンターで売っているグラスウール吸音材を丸めたものを、ハウジング内に均等に敷き詰めます。厚さ1〜2cm程度。ハウジングをネジ止めするときに抵抗があるかないかくらいの感じでしょうか。
大事なのは、左右必ず同量にすること。量が違ったり、均等でなかったりすると音の位相がずれます。一回目失敗しました……でもすぐ開けて実験し直せるのがT50RPのえらいところ!

写真撮影するの忘れました……

オプショナル:バスレフポートの調整

先ほど触れた標準バスレフポートに穴の開いたテープなどを貼って、音の好みとして、低音を大きくしたいなら小さめの穴、低音の抜けを良くしたいなら大きめの穴、という改造も有効です。外側からテープを貼ってしまえば、見た目はアレですが、アクセスはしやすいです。外側貼りで好みの穴サイズを決めて、後からまた開いて中に貼り直す、とかでもいいかも。今回は標準のままにしてみました。

オプショナル:イヤーパッドの変更

標準のイヤパッドはちょっと固めでフィット感が……なので、SHUREのハイエンドモニターヘッドホンSRH840用イヤパッド(型番HPAEC840)に交換します。amazonだとなぜか3千円とかしますが、SOUND HOUSEで左右ペア1880円也。ちょっとはめるのにコツが入りますが、要するに自転車のタイヤ交換の要領です。

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イヤパッド交換


組立

組立てます。ネジを4箇所止めて(同じサイズなので迷う必要なしです)、イヤパッドをはめて、以上! かんたん! ただし手は粘土樹脂とブチルゴムで真っ黒だ!
ちなみに改造前の重量(ケーブル除く)は327gと、昨今の装着性重視のヘッドフォンに比べると十分に重めですが、鉛をふんだんに使用した改造後はなんと432g!。頭蓋骨と首への負担は3割増だ!(当社比)
うーん。頭あてスポンジ改造も考えるか……

お会計

  • ¥12,137:FOSTEX T50RP本体
  • ¥ 702:VESTAXケーブル
  • ¥ 2,030:SHURE840交換イヤーパッド
  • ¥ 728:水草一番 水草のオモリ
  • ¥ 250:2mm厚フェルト
  • ¥ 765:イイダ産業 制振シート XETORO-A
  • ¥ 782:エーモン 防音テープ
  • ¥ 0:両面テープ、写真印刷用紙、精密ドライバー(手持ちのもの)

計¥17,394-

音質について

音響測定器を使用するわけでも無いので、コレばっかりは主観が入ってしまいます、と最初に言い訳させてください。ただし、DrillSpin所属の本職サウンドエンジニア桑原さんもほぼ同意見だったので、それなりの妥当性はあると思います。

まず、改造前の音質について。
エイジング前は「なんじゃこりゃ大損こいた!」な残念カマボコ。たいていの大型量販店では試聴時も未エイジング状態と考えたほうがいいかも。少なくとも自分が新宿某バシ電器店で視聴した時はその状態でした。しかし、50時間程度のエイジングで、十分低音が出てきて(出てくるだけで強くはない)、ハイハットの高い部分とか10kあたりの高音が耳に痛くなく気持ちよく鳴るようになります。それでも、4kあたりのハイハットのキモ部分、クラップ音などはシャリシャリ。あと全体に音がこもりがち。
エイジング後でも1万2千円の価値があるかというと……うーん、このヘッドホン&イヤホン戦国時代、2014年の現在でははなはだ微妙と言わざるを得ません。

そして改造後は。

ものすごく良くなりましたよ!

もっとも不満だった「全体的にこもりがちな音」はやはりハウジング鳴りだったようで、すべての音がクリアに!
恐ろしい分解能&定位で、平面駆動の実力というものを思い知ることができます。
元から良かった高音部はそのまま、4k付近のシャリシャリも軽減されました。ボーカルなど中音部の伸びは元から保証済み。低音は……最近流行りのヘッドホンのような「迫力」「圧力」はありませんが、ベースが気持ちよく鳴って、キックもちゃんと再生されてます。このへんは98dB/mWという、そうとう「鳴らしにくい」感度なので、ちゃんとしたアンプを通すと違うのかも。
何よりの特徴としては、刺さってくる音がないため、数時間再生しっぱなしでも聴き疲れしない音になっています(重量でヘッドバンドはちょっと痛いですが……)。最近の派手な音色のヘッドホンは派手なぶん疲れやすい傾向にあるので、これは貴重。
以下、個人ライブラリから個別の曲でひとことレビューです。

Imagine Dragons / Radioactive (feat. Kandrick Lamar):ダブステップの音を取り入れたヘヴィーロックで、ディストーションキックとシャリシャリスネアに、男性ヴォーカルの唄い上げとユニゾンコーラス、エフェクトボイスが混じる、という再生機器にはそうとうキビシイ音源。これが鳴ります! ほとんどどこも割れてない!

eastern youth / 一切合切太陽みたいに輝く:今度はエモでも中音域で轟音ギターをガンガン塊にして重ねるタイプの音源。これもものすごい分解能で、一つ一つ別の楽器として聴き込めます。

イルリメ / Hot Spot!:こっちは打ち込み音で厳し目のタイプ。電子クラップ音とハイハット、そしてガバっぽいキックが肝で、更に高めの男性ボーカル叫びが重なります。T50RPの分解能なら、ガバキックの圧力の裏でハイハットがすごい涼しげに鳴って、これは大変よいです。

林未紀アイドルになりたい:今度は女性ボーカル&ブラス&クラウドノイズで試してみます。一枚フィルターかかったクラウドノイズと、それに包み込まれた女性ボーカル、その左下で響くホーン・セクションという定位で、小西康陽の悪意しか感じない変態ミックスが存分に楽しめました。

Underground Resistance / Jupiter Jazz:最後はアナログシンセのストリングスと擬似コーラスが美しい、90年代テクノの大名曲だ! ……あれ? なんか……分解能が良すぎるせいか……興奮度が低いというか……音のスキマが……ぶっちゃけ安っぽく(実際安い機材なわけですが)聞こえちゃう!?


というわけで、本体1万2千円+改造材料費5千円で、再生可能域と分解能がとんでもないヘッドフォンが出来上がりました。正直、Audezeを意識した「12万円クラス」は言いすぎましたが、甘めに見て3〜5万円クラスの音は出てると思います。FOSTEX恐るべし!
そしてコスパより何より作ってて面白い。
FOSTEX T50RP改造、オススメです!

(ただ、編集部Kが個人的に大好きな音数の少ないテクノ聞くのだけは向いてないのかも……
※この記事はあくまで個人の感想です。改造はもちろんメーカー保証外なので自己責任で!

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