DrillSpin Picks :DJ HASEBEが、クラウドファンディングでアルバム制作

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DJ HASEBEが、クラウドファンディングでアルバム制作

代表格であるKickstarter自体が「クリエイターを支援する」というのを基本理念としていることもあって、欧米ではミュージシャンのクラウドファンディングは盛んです。日本ではどうなっていくのでしょうか……ちなみに編集部KはNIRGILISのクラウドファンディングでEPとTシャツをゲットしました!

この記事の筆者

1962年東京生まれ。Webディレクター/フリーライター/音楽ライター/コピーライター/編集者。株式会社アンビエンス代表取締役。音楽レビューサイト「3055」編集長。『ブラックミュージックこの1枚』(光文社知恵の森文庫)、『音楽系で行こう!』(ロコモーションパブリッシング)など著書多数。最新刊は『Juicy REMIX 1980-2011』(リットーミュージック)。

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DJ HASEBEのクラウドファンディングは200万円以上を集め成立



昨年末にはジャクソン5のノンストップ・ミックスとリミックスで構成された、昨年末の『MICHAEL JACKSON JACKSON5 The Ultimate Mixtape Mixed by DJ HASEBE』も話題を呼んだDJ HASEBE。日本のヒップホップ/R&Bシーンにおける重要人物である彼が、クラウドファンディング(インターネットを通じて不特定多数の人から資金定量をお願いするシステム)によって資金を集め、アルバムを制作しようとしています。

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クラウドファンディングを利用して成功した国内アーティストとして思い出すのは、ロック・バンドのエレクトリック・イール・ショック(2012年7月日本発、世界が認めるロックバンド、エレクトリック・イール・ショック、初のベスト&カバーアルバム制作プロジェクト!)。ラッパーではZEN-LA-ROCKが2013年に「GWIG GWIG GWIG」MV制作プロジェクトを成功させていますが、それでもまだまだ浸透しているとは言い難い状況。そんななかで実現に踏み切ったことには、大きな意味があると思います。

「オフィシャル・ミックスCDをリリースしたり、シンガーをフィーチャーしたアルバムを出すというような従来の活動が、方法論的にマンネリ化してる気がしてたんです。かといって、そんななか、流通の仕方も含めて方法論的に新鮮だと感じたのが、去年あたりから気になっていたクラウドファンディングだった」

DJ HASEBE ☆ Makuake限定インストアルバム制作プロジェクト

ちなみにつくろうとしているのは、インストゥルメンタル・アルバム。「通常の方法でレーベルと契約してやるにはアイテム的に弱いし、でも、自分の音楽性を出すにはいちばんいい手段だから」という思いがあったのだそうです。

「海外で話題になっているとはいえ、それほどクラウドファンディングが浸透していない日本の状況はまだまだリスキーで、失敗する可能性もある。だから当たり前なことをするのではなく、『そこじゃないとやれない意味』を考える必要があったんです」

DJ HASEBE ☆ Makuake限定インストアルバム制作プロジェクト

DJ HASEBE ☆ Makuake限定インストアルバム制作プロジェクト」というタイトルからもわかるとおり、サイバーエージェントのクラウドファンディング“Makuake”との共同プロジェクト。目標金額が達成された場合、完成したインスト・アルバムのCDを支援者だけに配布するというシステムです。

特徴的なのは、出資額によって、リターン内容が細かく設定されているところ。2000円以上の支援者にはサインとシリアル番号入りのCDアルバムが提供され、3000円以上でCDアルバム・パッケージ内「Special Thanks」に名前を記載。7000円以上で限定オリジナルTシャツが加わり、15000円でビルボードライブ東京でのパーティー『Honey Dip』(5月6日に終了)に招待という具合です。

またアルバムのなかから一曲を選び、15年ぶりの共演となるSugar Soulをフィーチャーしたヴォーカル・ヴァージョンを制作し、サポーター全員にダウンロード・プレゼントするというサービスも。結果的には目標金額180万円に対して302人のサポーターから202万4500円が集まり、晴れてレコーディングが実現することになったわけです。

音楽を売りにくい状況下、いちばん悪影響を受けているのは当然ながらアーティストです。しかし、そんななかでただ受身に徹するのではなく、こうして攻めに出ることには大きな意味があると思います。また、こうした動きは今後も増えていくのではないでしょうか。音楽の新たな流通手段として、ぜひとも期待したいところです。

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