Who's Next :第49回:日本語と英語でゆる~くブレイクするか?UK発3人組「ケロケロボニト」

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第49回:日本語と英語でゆる~くブレイクするか?UK発3人組「ケロケロボニト」

ここ最近、すっかりヘヴィローテーションで「ケロケロ」漬けの毎日です。かわいくて日本語と英語の混ざり具合が最高でハマリます、大推薦!!

この記事の筆者

1976年仙台出身。Listen Japan~Yahoo!ミュージックを渡り歩き、現在は音楽系WEBメディアを中心にフリーなライター/エディターとして活動しております。ライブハウスと夏フェス、キャンプ場と山を流浪することがライフワーク。

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「ケロケロ!」

この実に日本的なキーワードがもしかしたら世界を席巻するかもしれない。。。そんなバカげた妄想を抱くきっかけになったのがバンド名を冠した「Kero Kero Bonito」という曲との出会いでした。Double Denimというイギリスの新興レーベルの新人バンドの音源という触れ込みのもと、SoundCloudのプレイボタンをクリックして流れてきたのは、ダンスビートに乗る女の子の声による脱力系の日本語ラップ。そのカオティックでミクスチャーな聴き心地は90年代の“グランド・ロイヤル”周辺シーンを彷彿とさせつつ、しかし、“クールジャパン”のカウンターカルチャー的に新しい!みたいな。和洋折衷、温故知新という音楽を語る上で欠かせないキーワードが即座に頭に浮かぶのですが、いやいや、そんな難しいことは「ケロケロ!」という何ともイージーな言葉によって場外ホームラン並みに痛快に吹き飛ばされてしまうのでした。というわけで、今回の「Who’s Next」はこのKero Kero Bonito=ケロケロボニトをご紹介します!

Kero Kero Bonito「Kero Kero Bonito」

さて、このケロケロボニト。メンバー構成はSarah、Gus、Jamieの3人。全員ロンドン在住。Sarahはイギリス人と日本人のハーフで、キングストン大学でファインアートを勉強した後、現代美術家としても活動しているとのこと。彼女のFacebookページを見る限り、日本の着物を使ったアートで婦人画報「美しいキモノ」という雑誌に紹介されたこともあるようです。まさにケロケロボニトの魅力は彼女の存在感。羽鳥美保チボ・マット)やグライムス、さらにきゃりーぱみゅぱみゅともタメを張れそうなカワイイ&ストレンジな雰囲気とでも言いましょうか。その声やヴィジュアルがどうにもこうにも気になってしまうのです。また、謎のトラックメイカー©OOL JAPANの「Rush Hour(feat. Sarah Bonito & ラブリーサマーちゃん)」「TOKYO (FUCK REAL LIFE)(feat.ラブリーサマーちゃん & Sarah Bonito)」にもフィーチャリングされているということで、Maltine Records界隈とのリンクにも注目したい。そして、GusとJamieのギークな佇まいも◎。いつもは部屋でしこしこトラック作りをしていて、ひょんなことからその曲を週末のダンスパーティーで披露することになり、あまりのカッコよさに一躍脚光を浴びるオタクのシンデレラ・ストーリー映画の主人公、はたまたディスクロージャーのローファイ版とでも言えそうな。とにもかくにもヒロインSarahを支える重要な役割を担っています。



TOKYO (FUCK REAL LIFE) (feat. ラブリーサマーちゃん & Sarah Bonito)

さて、Sarahが駆使する日本語は一聴するとシンプルな言葉が並んでいます。「カエルはケロケロって鳴くけど。僕たち3人だけだけど。この出会い、歴史に残るぜ」(「Intro Bonito」)、「忘れない、逃げない、ゼッタイ」(「Sick Beat」)、「音楽スタート踊りだす」(「My Party」)「学校帰り、森を抜けて、いつもの場所に行くけど。空は青で私は緑。自分て一体何だろ」(「Small Town」※ちなみに“緑”はSarahの本名でもある)などなど。日常的な出来事や思いを平易なフレーズで描き出しているわけですが、それが実に素直に真理を突いているようで、彼女の深層心理を覗きたくなる次第。特に「Babies (Are So Strange)」という曲では直接的に思春期の女の子特有の思いが綴られていたりします。一方で見逃せないのがGusとJamieによる“MIDIダンスホール・アドヴェンチャー”と評されるサウンド。Jポップやゲーム音楽からの影響も滲ませつつ、ミニマルな音数ながら、サンプリングと音選びの妙により小気味よいエレクトロ・ソングが仕立てあげられています。Sarahの日本語ラップ/ヴォーカルとの融合によりハイブリッドな音楽が生み出されているというわけです。それはまさに歌詞の中にも出てくる“インターナショナル楽しいサウンド”という形容がぴったり!

Kero Kero Bonito「Homework」

すでにアメリカの人気音楽ブログGorilla vs. Bear音楽サイトPitchforkでも話題を呼んでおり、本国イギリスだけでなく、全世界同時多発的に“ケロケロ・サウンド”が大音量で鳴り響いているわけですが、日本でも8月27日より1st MIX TAPE『イントロ・ボニト/INTRO BONITO』がOTOTOYにて高音質配信とあわせて配信スタート。そして、9月3日からはiTunesをはじめ各音楽サイトで配信され、さらに10月22日にはCDもリリース予定ということで、一気に注目度が上がりそう。

アルバム『Intro Bonito』

OTOTOY(ハイレゾ音源)…… http://ototoy.jp/_/default/p/44949
OTOTOY(通常音源)………… http://ototoy.jp/_/default/p/45031

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というわけで、日本が生み出したJポップが世界中を飛び回り、“ケロケロ・サウンド”として舞い戻ってきたような感慨に耽っております。勝手な将来の展望としては、きゃりーぱみゅぱみゅのオープニングアクト、東京ガールズコレクションにライブ出演あたりでしょうか。想像は膨らむばかり! ケロケロ!!

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