読むナビDJ :第125回:‘70sロック名曲がいっぱい!映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のサントラ盤11選

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第125回:‘70sロック名曲がいっぱい!映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のサントラ盤11選

全米でこの夏、大ヒットしたマーベル初のコメディ・スーパーヒーロー映画。サントラCDはマストバイの70年代ヒッツ、映画も楽しみです!!

この記事の筆者

1970年生まれ。音楽ジャーナリスト。NHK-FMで「ライブビート」など制作後、1999年よりフリーの音楽ジャーナリスト。2004年、インディ・ロック雑誌「Hard To Explain」を立ち上げ現在も継続中。2010年、ブラジルのサンパウロに移住。ジャーナリスト活動は依然継続中でポルトガル語、英語の翻訳業も展開。海外エンタメの情報ブログ、THE MAINSTREAMは毎日更新中。

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この夏、アメリカをはじめ全世界的にこの夏最大のヒット・ムーヴィーとなった『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』が2014年9月13日から日本でも公開されます。『スパイダーマン』や『アヴェンジャーズ』などの「マーヴェル・コミック」の最新作という話題性もさることながら、今回の映画のヒットのもうひとつの秘訣に、70年代洋楽満載のサントラの力があります。今回はこの映画を彩る、なつかしくも普遍の輝きを放つ名曲の数々を紹介したいと思います。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』は9月13日現在、全米映画興行成績でチャートイン6週のうち4週1位(最新の9/7付も1位)を獲得するほどの大ヒットとなっていますが、その一方でサウンドトラックもビルボードのアルバム・チャートで2週1位を獲得する大ヒットとなっています。ビルボードの同チャートで映画のサントラでの1位は、あの「アナと雪の女王」に続くものです。

なお、このサントラにはいわゆる新規に録音された主題歌用の新曲は一切なく、あるのは既存曲のみだ。その意味で本来、新鮮さはない。それがここまでウケているのは、この映画における「懐メロ」の使い方が、古風な洒落た小物のような奥ゆかしく愛すべき雰囲気を映画全体に振りまいているからなんです。

それもそのはず、このサントラ、ジャケ写に模してあるのは1970年代当時の雰囲気そのままのカセットテープだ。なぜカセットテープなのかというと、それは宇宙で少年の時分から生きていかなくてはならなくなった主人公が「母なる地球」の思い出の品(ここまでしか言えません。詳しくは映画で)だから。つまり、「自分自身の生きて行く上でのアイデンティティ」を再確認するためのいわば「命の源」として、70年代の音楽が活かされているのです。



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そして、そこで使われている音楽の瑞々しさがまた素晴らしい。そこには、優美で豊かであたたかなメロディが広がり、ロックンロールが本来持っていたプリミティヴな快活さに溢れています。「その昔」をリアルタイムで知っている人のノスタルジーを刺激する要素ももちろんあるんですけど、同時にタイムレスに、リアルタイム世代の子供たちの代にまで届く輝きもあると思います。

そんな、この映画を彩る名曲たちをここで紹介しましょう。

10CC

「I’m Not In Love」

本作の中でも最も重要な場面の演出をなす1曲です。曲は1975年に全英1位、全米7位まで上昇した、イギリスの職人的なポップ・センスの光るバンド、10CC最大のヒット曲。幻想的な浮遊感に乗せて、恋に落ちた自分の気持ちをウィットに富んだ言葉でごまかそうとする素直になれない男の心情が歌われています。



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Runaways

「Cherry Bomb」

現在となっては「女性パンクのパイオニア」とも呼ばれるランナウェイズの代表曲。1977年当時、彼女たちの人気は日本で世界に先駆けて高く、この曲も「チェリー・ボム」のタイトルでシングル発売され、オリコンの総合シングル・チャートでもトップ10に入る大ヒットにもなったものです。ギタリストは後に「アイ・ラヴ・ロックンロール」で一躍有名になるジョーン・ジェットです。



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Raspberries

「Go All The Way」

後に「All By Myself」(『ブリジット・ジョーンズの日記』でも有名)の大ヒットで知られることにもなるエリック・カルメンが1970年代前半に率いたロックバンド、ラズベリーズの全米5位まで上昇したヒット曲。60sのビートルズザ・フーのロックンロールをアメリカで継承して育んだポップでかつキレ味鋭い1曲。



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Blue Swede

「Hooked On A Feeling」

この曲も劇中のセリフで曲名まで出て来るほど重要な使われ方をしている1曲。曲は70年代半ば、スウェーデンでABBAに続く人気を誇ったブルー・スウェードの世界的ヒット曲。その不思議なコーラスから日本では「ウガチャカ」という邦題がつきました。この曲はドラマ「Ally My Love」でも使われていたので、それで知っている人も少なくないでしょう。



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Elvin Bishop

「Fooled Around And Fell In Love」

1970年代の半ばのヒットチャートを湧かせたアダルト・バラードの人気曲です。エルヴィン・ビショップは、1960年代のアメリカを湧かせた名物ブルース・ロック・ギタリストだったんですが、この曲は、後にジェファーソン・スターシップスターシップでポップ・ヒットを放ったハイトーン・ヴォーカリスト、ミッキー・トーマスを迎えての曲。



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Redbone

「Come And Get Your Love」

これはリアルタイムで体験してないとやや忘れられがちな1曲。1974年に、アメリカン・インディアンの血をひくメンバーたちで結成されたロックバンド、レッドボーンによるソウルフルでハート・ウォーミングな1曲。こうした「知る人ぞ知る1曲」をこの映画は印象に残るシーンで効果的に使ってきます。ちょっと「踊るポンポコリン」に似ています。



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David Bowie

「Moonage Day Dream」

こと、アーティスト知名度で言えば、今回収録の曲の中ではこれが一番でしょう。この曲はデヴィッド・ボウイがグラム・ロックの寵児だった1972年に発表された名作アルバム「ジギー・スターダスト」を飾る華麗な1曲。



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Rupert Holmes

「Escape」

1970年代最後の全米1位の曲としても有名なシンガーソングライター、ルパート・ホルムスの名曲。恋愛が倦怠期に陥った男の妄想浮気願望が皮肉っぽいユーモアで語られた歌詞も人気でした。なお、彼はこの曲の後に「Him」という、愛している女性に浮気された悲しい心情を歌った、この曲と全く好対照をなすシティ・ポップも大ヒットさせています。



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The Five Stairsteps

「Ooh Child」

ジャクソン・ファイヴに先駆けてデビューした兄弟グループ、ファイヴ・ステアステップスが1970年に大ヒットした有名なソウル・クラシック。プロデューサーに、70sソウルを語るに不可欠なレジェンド、カーティス・メイフィールドが手がけていることも話題になりました。劇中で主人公がこの曲を口ずさむことで印象がさらに強まっているので注目を。



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Marvin Gaye & Tammi Terrell

「Ain’t No Mountain High Enough」

これは正式には1967年の曲なので70年代ではないのですが、これまたソウル・ミュージック史を代表する名デュエット曲。モータウンきっての男性セクシー・シンガーのマーヴィン・ゲイの最高のデュエット相手と言えばやはり24歳で夭折した伝説の美女タミー・テレルアシュフォード&シンプソンのペンによるスリリングでエモーショナルな曲の進行も聴きものです。



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Jackson Five

「I Want You Back」

そして最後を飾るのは、永遠のバブルガム・ポップ、マイケル・ジャクソンがまだ11歳のときに世をハッピーに驚かせてくれたこの曲、ジャクソン・ファイヴの「帰ってほしいの」。理屈抜きに誰もが踊れるこの名曲は、劇中でも見事にこの曲本来の役目を果たしています。



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と、この映画、この11曲を聴くだけでも十分楽しめますが、映画そのものの内容も素晴らしいです。「マーヴェル初のコメディ」とも言われているように、随所に含まれるユーモアが音楽と共にこの映画に絶妙に機能しています。

特に、それを象徴するハリウッド初主演のクリス・プラットの演技は必見です。また、喧嘩早いアライグマの声にブラッドリー・クーパー、怪力の植物モンスターにヴィン・ディーゼルと、意外な豪華声優が話をもり立てているところも注目です。

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