コラムスピン :第16回:なぜ「CD」は売れなくなったのか? 完結編

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第16回:なぜ「CD」は売れなくなったのか? 完結編

~2012年以降の音楽の楽しみ方、そのまとめと対策~

2012年1月18日にスタートしたこのシリーズも今回でクローズ。今後取るべき対策は?初回と同じく、ふくりゅうさんの寄稿です!

この記事の筆者

Yahoo!ニュース、J-WAVE、MTV81、2.5D、Qetic、ミュージックマガジン、BARFOUT!などで書いたり喋ったり考えたり呑んだりしてます。 著書は『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』〈ダイヤモンド社〉

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当コーナーで、リレー連載となった「なぜ『CD』は売れなくなったのか?」シリーズ。3ヶ月のときを経て、まとめの時間がやってきました。

この半年のなかで、アメリカでは「ネット上の自由」や「ネット上の権利」を争点としたSOPA法案とPIPA法案を巡る騒動や、国内では違法ダウンロード罰則の審議が議論され続けております。音楽ファンとして目が離せない問題です。

先日、2011年のCD生産数も発表されましたが、ついに有料音楽配信までもが減少方向となりました。携帯からスマホへの移行の影響が、着うた系セールスに如実にあらわれたようです。

Android 向けの音楽配信サイトで、価格面を含めて使い勝手が良いデフォルトな配信サービスがないことの影響も大きいのかもしれません。ちなみに、初期「Androidマーケット」では、違法配信アプリ(YouTubeの動画をMP3化するサービスなど)が当たり前のように公式アプリと並んで販売されていたこともあり、ユーザーは違法配信アプリを使うことへの抵抗が少なくなっていることも問題だと思います。

最近よく耳にする話題ですが、日常生活で着うたを着信音に使われる機会が減っているそうです。逆に、価格も安く使い勝手のよい着メロが再評価をされています。とはいえ、iTunesストアで販売が開始されたリングトーン・サービス(着うた)は好調という話も聞きます。いわゆる、音楽をどうマネタイズするかという方法論のお話ですね。

スマホ時代の音楽業界において、CDや着うたに変わるビジネスモデルは急務な課題です。動画界隈では、月額980円で映画やテレビ番組を観放題のサブスクリプション・サービス『Hulu』や、エイベックスが手がけている月額315円で観放題の『BeeTV』などが主流になりつつあります。今後、回線速度が爆速となる4Gサービスが本格化すれば、観放題モデルの波を止めることは難しくなるでしょう。

海外では『Facebook』と提携した『Spotify』がアメリカやイギリスの音楽シーンを制するなど、音楽ビジネスでも聴き放題サービスへの移行が進んでいます。とはいえ日本では、AKB48を中心に一部CDセールスが好調なこともあり、月額制聴き放題サービスへの移行が遅れていることが気がかりです。かつての成功体験が邪魔となる、イノベーションのジレンマというヤツですね。とはいえ、聴き放題サービスを実施すればすべてが解決するかといえば、そんなことはありません。そこで……、

提案:CDが売れない時代の、音楽業界が課題解決すべき3つのポイント

【1】音楽ファンが音楽を公式に探せる場所、出会える場所として『Spotify』のような聴き放題サービスを運営する。音楽をコミュニケーション・ツール化するために、『Facebook』などソーシャルメディアと連携し、フレンド同士でレコメンドしあえるようにコミュニティ化する。例えるなら、ラジオのようなフリーミアムなメディアとしてとらえてみる(課金はするけれども)。 http://www.spotify.com/

【2】聴き放題サービスに提供した音源をマネタイズするために、CDに変わる収益性の高い、魅力的なパッケージアイテムを作り出す(ファッションと融合できる缶バッジ型アルバム『playbutton』などを参考/CDはスマホ時代に最適化されていない)。 http://www.playbutton.co/

【3】クラウドファンディング的(リスナーによるアーティスト支援)な目的で、有料メールマガジンを活用し、コストのかからないファンクラブ・モデルを確立する。月額課金(1,000円が目安?)による安定した収入によって、ライブ音源やデモ音源配信、ライブ壁紙、コアな情報提供によってプレミアム・サービス化する。

以上が、CDが売れなくなった時代の、音楽シーンの課題解決案だと思ってます。ちなみに日本が世界に誇るべきインターネットサービス『ニコニコ動画』は、インフラを持つ利点を活用した次世代のマネタイズ・モデルを成功させつつあるのが興味深いです。いわゆる、ブレイクへの方程式、ルールが変わってきているのだと思います。

それを体現してブレイクしようとしているアーティストが、5月16日(水)に初の全国流通CDアルバム作品をリリースします。すでに、今年発表された3作品の再生回数が累計100万をこえ、Amazonでの予約も数千をこえている状況だそうです。

全作詞、作曲、編曲、歌唱、演奏、動画を独りで手がける21歳のロック・クリエイター、米津玄師(ヨネヅケンシ)による初のアルバム『diorama』〈BALLOOM/DGLA-10016〉に、次世代の音楽シーンの光明を感じております。新しい時代には、新たなヒーローが必要だと思います。ご注目下さい☆

※「ニコニコ動画」を見るには、登録&ログインが必要です。

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コラムスピン 第45回:ソニー・ミュージック、iTunes楽曲提供について考えてみた。
コラムスピン 第20回:提案!「CD=SNSコミュニティ化」っていかがですか?
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