読むナビDJ :第166回:世界最大級のインディペンデントレーベル、XL Recordingsの魅力

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第166回:世界最大級のインディペンデントレーベル、XL Recordingsの魅力

89年にダンスミュージックレーベルとしてスタートし、90年代にザ・プロディジー、00年代にはアデルがブレイク。新人発掘に意欲的で音楽への自由度が高いレーベルの魅力を探る。

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1980年代から1990年代の輸入レコード・バイヤー経験を経て、2000年代は音楽配信サービスに従事。1987年に初めて渡ったニューヨークで本場のクラブシーンに衝撃を受ける。帰国後はフリーペーパーやクラブ音楽専門誌で多数のレビュー、インタビューを担当。渋谷、青山のクラブやDJバーで音楽パーティを開催し、DJも担当。得意なプレイ・スタイルは、1980年代のポスト・ディスコやニューウェーブと2010年代のニュー・ディスコやインディーズ・ダンスのミックス。

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2016年5月に発表された5年振りのアルバム『A Moon Shaped Pool』が話題のレディオヘッド、2015年のセールスは全世界で800万枚と今をときめく歌姫アデル、10代で衝撃のデビューを飾ったThe XXなどと契約し、今や世界的に最大級かつ最重要インディーズ・レーベルとして君臨するXL Recordings(以下、XL)の歴史を振り返ってみよう。

1989年にロンドンで設立された音楽レーベルのXLは、当初NYハウスやレイヴなどダンス・ミュージックに特化されたラインナップだった。1991年にXLからリリースされたT99「Anasthasia」は日本でもジュリアナ東京のコンピレーションCDに収録され、当時社会現象とまで言われた大人気ディスコから生まれた「ジュリアナ・テクノ」の代表曲としてXLの12”シングルが大量に輸入された事から、XLのロゴマークは当時イギリス国内よりも日本での知名度が高かった可能性がある。

1997年にザ・プロディジー『The Fat of the Land』が米英を含む26か国でチャート1位を獲得し、XLは有力レーベルとして認知される事となった。2000年以降もディジー・ラスカルM.I.Aなど最先端のダンス・ミュージックで成功しているが、一方でザ・ホワイト・ストライプスヴァンパイア・ウィークエンドシガー・ロスなどロックの話題作でも注目を集めた。2007年にレディオヘッドが自分達のレーベルを設立し「デジタル配信音源は購入者が自由に価格を決められる」として大きな話題を呼んだアルバム『In Rainbows』のCD、レコード販売をXLがサポートし、以後のレディオヘッド関係作品も同様にXLが流通をサポートしている。

Adele「Chasing Pavements」


2008年にXLからのデビューアルバム『19』でイギリス・チャート1位を獲得したアデルは、続く2011年の『21』、2015年の『25』と立て続けに世界的なモンスターヒットを記録している。2009年にはXL傘下レーベルYoung TurksからデビューしたThe XXがまたもや大ブレイク。

The XX「Crystalised」


NYの新人バンドであるヴァンパイア・ウィークエンドは2010年のセカンドアルバムで全米1位を獲得し、2014年には新人賞的なポジションを総なめしたFKA twigs、ネオ・ソウルの注目新人バンドJungleをデビューさせるなど新人発掘の慧眼を発揮し続けている。

Jungle「The Heat」


XLはファミリー的な雰囲気で落ち着くとアデルは語り、ヴァンパイア・ウィークエンドのエズラ・クーニグはXLのオフィスはクレイジーだと笑う。新人のみならずギル・スコット・ヘロンボビー・ウーマックといったベテランも巻き込んでしまうXL創業者リチャード・ラッセルの人望は、長い音楽業界でのキャリアによって築いた信頼によってジョン・レノンエルトン・ジョンなど超大物アーティストを獲得し1980年にLAでレーベルを立ち上げたデビッド・ゲフィンを思わせるものがあり、アデルのマネージャーであるジョナサン・ディッキンズもデビッド・ゲフィンのマネージメント手法に影響を受けたとインタビューで語っている。今後も世界を驚かせるアーティストが登場するであろうXLから目が離せない。

Radiohead「Daydreaming」


■出典

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